近江守助直
近江守助直は、寛永16年、近江国の生まれ。大阪新刀の第一人者「二代 津田越前守助広」に弟子入りする。延宝3年、津田家に入り婿し津田姓となる。その後、故郷近江国で作刀を始める。
天和2年、没した二代助広の跡を受け、津田一門を引き継ぐ。助広の刀剣の特徴である「互の目乱れ」や「濤欄乱刃」の技法を伝法し、一門を支えた。「濤欄乱刃」とは互の目乱れを打ち寄せる大波のように表した刃文のことをいう。
近江守助直の作風は、当然ながら師匠の津田越前守助広の影響を強く受けている。 狭い身幅で反りは先反り。 ただし、津田越前守助広が得意とした「濤欄乱刃」の「玉焼」が皆無なのが 師匠との違いといえる。
没年不詳ではあるが、元禄6年以後に作刀された例が見受けられないことから、この前後に没したと考えられる。代表作は、重要刀剣「近江守高木住助直」である。